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エディターコラム

なぜ、サロニーをつくったのか

渡井俊輔サロニー編集部
なぜ、サロニーをつくったのか

静岡市のサロン検索「サロニー」は、なぜ生まれたのか。ヘアケアの作り手として15年近くサロンと付き合ってきた編集部の渡井が、「いいお店ほど見つかりにくい」という違和感と、このサイトで変えたいことを書きました。

はじめまして。サロニー編集部の渡井です。

これから毎週水曜日に、美容業界の「その裏側」を中心にコラムを書いていきます。第1回は少しだけ自己紹介をかねて、なぜこのサイトをつくったのか、という話をさせてください。

作り手として、サロンの近くにいた

私はもともと、インターネットの会社で働いていました。その後、2012年に自然派のヘアケアをつくる会社を立ち上げ、それからずっと、美容室のみなさんと一緒に商品をつくってきました。

ヘアケアの商品は、研究室だけではできあがりません。実際にお客様の髪にふれている美容師さんに使ってもらい、「この香りは強すぎる」「この泡立ちだと、シャンプー台で時間がかかる」と言われて、何度もつくり直します。そうやって多くのサロンに出入りするうちに、私は作り手でありながら、売る人の悩みも、使う人の声も、すぐ近くで聞くようになりました。

その中で、ずっと引っかかっていたことがあります。

いいお店ほど、見つかりにくい

静岡市には、2,300軒を超える美容室やサロンがあります。サロニーをつくるために一軒ずつ数えてみて、私自身もその多さに驚きました。

その中には、技術がしっかりしていて、お客様の話をよく聞いて、何年も同じお客様が通い続けている、そんなお店がたくさんあります。ところが、そういうお店ほど、インターネットで探そうとすると見つかりにくいのです。

理由は単純で、お店を探すための大きなサイトの多くは、掲載料や広告費を払ったお店から順に、目立つ場所に並ぶしくみになっているからです。それ自体は、商売として当たり前のことです。ただ、その結果として、地域で長く愛されている小さなお店や、ひとりで丁寧に営業している美容室が、検索の結果にほとんど出てこない、ということが起きています。

一方で、お客様の側も困っています。

「近所でいい美容室を探したいけれど、どこから見ればいいか分からない」
「クーポンの値段だけで選んで、結局、自分に合わなかった」
「行ってみたいお店はあるけれど、営業時間も定休日も分からない」

こうした声を、私はサロンの方からも、まわりの友人からも、何度も聞いてきました。探したい人と、見つけてほしいお店が、同じ町の中にいるのに、うまく出会えていない。作り手として両方の側を見てきた私には、それがとてももったいないことに思えました。

町の単位で、全部のお店を

毎日通る道の途中にも、まだ知らないお店がある
毎日通る道の途中にも、まだ知らないお店がある

そこで考えたのが、サロニーです。

サロニーでは、静岡市が公開している美容所の営業許可の情報と、Google のお店の情報をもとに、市内で営業しているお店を、できるだけ漏れなく掲載しています。いま掲載しているのは、葵区・駿河区・清水区の2,361件。掲載料を払ったかどうかで、載せるかどうかを決めることはありません。お店の名前、住所、地図、営業時間、Google の評価といった基本の情報は、すべてのお店で無料です。

もうひとつ大事にしたのが、「町」で探せることです。

美容室は、毎月、あるいは数か月おきに通う場所です。どんなに評判がよくても、家や職場から遠ければ、通い続けるのは大変です。だからサロニーでは、区だけでなく、357の町ごとにページをつくりました。自分の住んでいる町、働いている町の名前から、そこにあるお店を一覧で見られます。

美容室のほかにも、ネイル、まつげ、エステ、脱毛、ヘッドスパ、リラクゼーションと、ジャンルで絞り込めます。「駿河区のネイル」「清水区のヘッドスパ」のように、行きたいお店を近くから探せるようにしています。

広告と、そうでないものを分ける

サロニーを運営している彩り株式会社は、「きてこ」という、サロン向けの予約と顧客管理のシステムもつくっています。きてこを使っているお店は、サロニーでも写真やメニュー、スタイリストの紹介を載せられ、そのまま Web 予約もできます。

ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。きてこのお店は、私たちが対価をいただいているお店です。だからサロニーでは、一覧の中で「PR」と表示しています。読む方が、どれが広告で、どれがそうでないかを、いつでも区別できるようにするためです。

広告があること自体を、悪いとは思っていません。サイトを続けていくには費用がかかりますし、写真やメニューが見られるほうが、選ぶ側にとっても便利です。けれど、広告とそうでないものが混ざって見分けられなくなると、サイト全体が信用されなくなります。それは、作り手として何度も見てきた「売り場」の話と同じです。いちばん目立つ棚に置かれた商品が、いちばんいい商品とは限りません。そのことをお客様が知っている売り場のほうが、長い目で見て、お店もお客様も幸せになると、私は思っています。

作り手から見た、お店選びの目安

せっかくなので、私がサロンに出入りしてきて「このお店はいいな」と感じたところを、少しだけ書いておきます。サロニーでお店を探すときの、目安にしてみてください。

ひとつめは、営業時間と定休日が、きちんと公開されていることです。当たり前のようですが、これが古いままになっているお店は、少なくありません。お客様が迷わないように情報を整えているお店は、店内のこまやかな気配りにも、同じ姿勢が表れていることが多いと感じます。

ふたつめは、口コミの「数」より「中身」を見ることです。評価の星の数は目安になりますが、星がいくつかよりも、どんなことが書かれているかのほうが参考になります。「話をよく聞いてくれた」「髪の悩みを相談できた」という声が続いているお店は、長く付き合える可能性が高いと思います。逆に、短い褒め言葉だけが急に増えているときは、少し慎重に見たほうがいいかもしれません。

みっつめは、近さです。先ほども書きましたが、美容室は通い続ける場所です。最初の一回が満足でも、遠くて次に行かなくなってしまえば、髪の状態を知っている美容師さんとの関係は、そこで途切れてしまいます。毎回同じ人に見てもらえることは、実はどんな高いトリートメントよりも、髪にとって大きな意味があります。

この三つだけでも、お店の見え方はずいぶん変わります。サロニーの一覧では、営業時間と Google の評価を並べて見られるようにしてあるので、ぜひ比べてみてください。

コラムで伝えたいこと

サロニーには、私のほかに、二人のエディターがいます。

金曜日を担当する村上ゆきさんは、健康食品と自然食の世界にいた人で、精油のインストラクターでもあります。食べるもの、香り、暮らし方から、髪や肌を内側から整えるヒントを書いてくれます。

月曜日を担当する森ゆうこさんは、サロニーの SNS 担当で、新作コスメのチェックが欠かせないコスメ好きです。年頃の娘さんがいるので、若い世代の流行にも詳しい。話題のコスメや流行りの美容を、母親の目線で紹介してくれます。

そして水曜日の私は、作り手として見てきた「美容業界の裏側」を書いていきます。サロン専売品と市販品はなにが違うのか。「ノンシリコン」は本当に髪にいいのか。美容室の値段は、何で決まっているのか。知っていると、お店や商品を自分で選べるようになる、そんな話をしたいと思っています。

お店の情報だけなら、ほかのサイトにもあります。でも、「どういうお店を、どういう目で選べばいいのか」まで一緒に考えられる場所は、意外と少ない。サロニーのコラムは、その部分を受け持ちたいと考えています。

静岡の、町のサロンのために

最後に、少しだけ個人的な話をさせてください。

私がサロンと一緒に商品をつくってきて、いちばんうれしかったのは、「お客様に喜ばれたよ」と言ってもらえたときでした。お客様の髪が変わって、美容師さんが喜んで、その話が作り手の私にまで届く。その小さな循環が、この仕事を続けてきた理由です。

サロニーも、同じ循環をつくりたいと思っています。探している人が、近くのいいお店に出会う。お店は、ちゃんと見つけてもらえる。そして、また来たくなる。

まだ始まったばかりのサイトです。足りないところも、使いにくいところもあると思います。お店を探す方も、サロンのオーナーの方も、気づいたことがあれば、ぜひお問い合わせから教えてください。いただいた声は、私たち編集部がすべて読んでいます。

まずは、あなたの住んでいる町のページを開いてみてください。毎日通る道の途中に、まだ知らなかったお店が、きっと見つかるはずです。

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